今回は 遺骨などを入れるメモリアルカプセルに、Etcher Laser(レーザーカッター)で彫刻してみました!
というのも…
2020年2月頃、17年8ヶ月もの間 ずっと寄り添ってきてくれた愛犬ロビーが、とうとう虹の橋を渡りました。
ロビーの遺骨をそばに置いておきたくて、ネットでメモリアルカプセルを探したのですが、なかなかコレ!という物が見つからず…
名入れしてくれる商品もあったけど、書体が微妙だったり、カプセルのサイズが大き過ぎたり…
結局、自分で名入れしてみよう!ということで、ダメ元で試してみました!
用意するモノ
《材料》
□ メモリアルカプセル【1個】
…遺骨カプセル!楽天で購入
《道具》
□ Etcher Laser(エッチャーレーザー)
[3.5W / 底部取り外し可能タイプ]
…SmartDIYs製のレーザー加工機
□ 定規 or デジタルノギス
…加工物のサイズや厚みを測る
□ 自作簡易ガイド板(※)
…アイテム設置用(無くてもOK!)
《消耗品》
□ ラッカースプレー[黒 / つや消し]
…仮塗装用
□ ラッカーうすめ液 + ボロ切れ
…仮塗装を落とす用
□ マスキングテープ
…アイテム固定用
□ ティッシュ + 水(霧吹き)
…ウェットティッシュでもOK!
《PC環境》 ※MacOS
□ Adobe Illustrator
…アドビのイラレ
□ SmartDIYsCreator【ver.1.1.4】
…専用ソフトウェア(現行バージョンでOK!)
ガイド板と言っても、レーザー本体の加工エリアに 不要な板をマスキングテープ等でしっかり固定し、縦横のラインを数本彫刻しただけの板です。
この縦横ラインをガイドにすれば、加工物を水平に置きやすくなります。(ラインを彫刻した後は、くれぐれも板を動かさないようにしましょう!)
★【簡易ガイド板】をグレードアップした【簡易グリッド板】の作り方については、こちらの記事で紹介してます⬇︎
① メモリアルカプセル
今回使用したメモリアルカプセルはコチラ⬇︎
基本的にダイオード(半導体)レーザーは金属には加工できませんが、アルマイト処理されたアルミニウムであれば彫刻できるようなので、アルミ製のものを探しました。
購入したカプセルはコチラです⬇
出来るだけコンパクトでシンプルなやつ!
そして…結論から言うと、
そのままでは彫刻できませんでした!(゚∀゚;)
ただし、
黒のラッカー塗装をすれば彫刻することができました!(゚∀゚*)
詳細は後述します!
② レーザー加工機【Etcher Laser】
今回も、SmartDIYsさんの【Etcher Laser(エッチャーレーザー)】で加工していきます!
レーザー加工前の設定いろいろ
1. 彫刻する位置・範囲を検討
カプセル自体のサイズが結構小さいので、位置や範囲に関しては自ずと決まった感じです。
曲面に彫刻することになるので、入れる文字は大き過ぎず、かつ 小さ過ぎて文字が潰れないくらいのサイズ感を意識しました!
カプセルの彫刻可能な範囲(フタや底部分を除く)の最大長は大体18mmくらいでした!
実際の彫刻サイズは、この後のデザインイメージと併せて決定していきます!
2. デザインイメージの検討
加工するカプセルを真上から撮影し、PCに写真を取り込んでイラレ上でイメージを検討します!
書体は筆記体で、なるべくスッキリした感じを目指しました!
結局6パターンくらい候補を出して悩みに悩んで、結局【B】プランに決定!
PC画面上で原寸大にしつつ、サイズ感などを確認したところ、大体12.5mmくらいの幅で彫刻すればバランスが良さそうです!
ただ、この決定したプラン【B】の書体(Kunstler Script)、文字の細い部分は相当細くなっています(°-°;)
細過ぎるとうまくレーザー彫刻できるか不安だったので、文字のアウトライン化後に 若干太く加工しました(イラレ上で)!
そして、最終的な完成イメージはこんな感じ⬇︎
イメージが固まったら、彫刻する文字(パスデータ)をイラレの新規ファイルにコピーし、《SVG形式》で保存します。
3. カプセルをラッカースプレー(黒)で仮塗装
…の前に、ラッカー塗装に至るまでの経緯
実はラッカー塗装に至る前に、別の方法で2度、彫刻に失敗しているんです!(°-°)笑
レーザー彫刻:❶ 回目
そのままの状態(水色の地のまま)でレーザー彫刻
▼
失敗!
レーザー彫刻:❷ 回目
黒のマスキングテープを貼り付けてレーザー彫刻
▼
失敗!
レーザー彫刻:❸ 回目
黒(つや消し)でラッカー塗装してからレーザー彫刻
▼
成功!!!
ラッカー塗装の手順と、レーザー彫刻後の流れ
手順といっても、特に難しいことは無いのですが、、
- 彫刻する範囲を残し、マスキングテープを貼る!
- 黒(つや消し)のラッカー塗装をする!
- マスキングテープを剥がす!
============
ひとまずここまでやったら
============ - 加工エリアにカプセルを固定して、レーザー彫刻!
- ラッカーうすめ液で黒く塗装した部分を拭き取る!
- 最後に水拭きして、完成!
こんな感じの流れになります!
ラッカーで黒塗装ができたら、レーザー彫刻に入ります!
4. カプセルをレーザー本体の加工エリアに固定
固定する前に、予めデジタルノギスなどでカプセルの厚み(太さ)を測っておきましょう!
厚みを測ったら、黒く仮塗装したカプセルを加工エリアへ固定します!
フック部分が固定の際に邪魔になりそうだったので、フタを外してカプセル下部だけを固定しました!
レーザー本体のXY軸に沿って、まっすぐカプセルを固定しよう!
(予め簡易ガイド板を作成しておくとGOOD!)
※簡易ガイド板を用いる場合、加工機でのキャプチャの際には 簡易ガイド板の厚みを含めるのも忘れずに!
カプセルが小さいので、少しでも曲がったら結構目立ってしまうかと思います…(゚∀゚;)
カプセルも軽くてファンの風で吹っ飛びそうだったので、丸めたマスキングテープを裏に貼り付けて、簡易ガイドにセットしました!
カプセルを固定した後は、
- Etcher Laserに搭載のカメラで、キャプチャ
(画面上のグリッドに合わせて、曲がってたら微調整、を繰り返す!) - ソフトウェアSmartDIYsCreatorにて、SVGファイルの読み込み
- パラメータ設定(下記【5.】参照)
- レーザーヘッドの高さの調整
で加工前の準備は完了です!
5. 加工ソフトのパラメータ設定
設定パラメータ・詳細情報は下記の通りです⬇︎
それではいよいよ、加工スタートです!
Let’s レーザー彫刻!
6. レーザー加工の様子
今回は加工中の動画を丸々撮影しておらず…ほんの一部となります(°-°;)
7. レーザー加工後の状態
レーザー加工が完了した状態です。
黒く仮塗装した部分が削られて、綺麗に彫刻出来ているように見えます!
…が、塗装を全て落としてみない限り、成功しているかは分かりません!
Etcher Laserはスキャン機能搭載ですが、なんせ今回は超細かい(0.0ミリ単位の)彫刻です。
一度 加工エリアから動かしてしまったら、再度同じ箇所に文字を重ねて彫刻するのは不可能に近いです!
ということで、一か八か、カプセルを加工エリアから剥がし、『ラッカーうすめ液』で塗装を落としてみます!
ボロ切れにほんの少〜し、Mr.ウスメ液を染み込ませて軽〜く拭いたら、簡単に塗装を落とすことができました!
ラッカースプレーにはラッカー用のうすめ液を使おう!
果たして…!?
《メモリアルカプセル》にレーザー彫刻成功!
テッテレー!!
どうにか文字、見えました!!!
カプセルの色が薄いので目立ちませんが、ちゃんと彫刻出来ています!
(でも、むしろ目立たなくて良い!)
写真だと余計分かりづらいですが、実物はしっかり文字を認識できました!
主張し過ぎずさりげない感じが、好っき!!!
背景とか照明の感じで大分色味が違って見えちゃってますが、すべて同じモノです(゚∀゚;)
文字の細い部分もバッチリかっこよく彫刻できてるぅ!
今回は特に、ベース(カプセルの色)がシルバーに近い薄〜い水色だったので大分苦戦しましたが、
色が濃い目のアルマイト処理された製品であれば、黒塗装は不要で彫刻できると思います!(モノによると思いますが!)
黒塗装、アラ技だと思ったけど出来ちゃったくま〜
まとめ
今回はダメ元でのチャレンジでしたが、どうにか成功してよかったです!
アルマイト処理された製品だけど、色が薄くて彫刻出来ない!という時は、『黒塗装してから彫刻』を試してみる価値アリです!
※もちろん保証はできません…【ダメ元 & 失敗覚悟】の気持ちでやりましょう!笑
それではまた次回も よろしくお願いします!٩( ᐛ )و