レーザーで加工する際に注意しなければならないのが、
その素材・製品が【PVC=ポリ塩化ビニル=塩ビ】を含んでいないか!?
ということです。
※PVC=polyvinyl chloride の略
そう、レーザー加工の世界では常識のようですが、、
PVC(塩ビ)へのレーザー加工はNG!!!
というルールを忘れてはいけません!!!
《塩ビじゃなかろうか!?》チェックの重要性
もし、うっかり塩ビのモノにレーザー加工(=燃焼)してしまうと、有毒ガス(塩化水素=塩酸ガス)が発生します!(゚∀゚;)
- 人・動物に有害!
(大量に吸入すると中毒死しちゃう!) - 刺激臭がする!
(プールの消毒液みたいな) - 黄色い(キミドリっぽい)煙が上がる!
- 発生した塩化水素ガスの腐食性が強く、
金属はサビつき、樹脂は劣化しちゃう! - つまりレーザー本体の寿命も縮んじゃう!
ちなみに…
刑事ドラマとかでたまに出てくる危険な液体として有名な「塩酸」ってのは、塩化水素の水溶液バージョンのことですね…!
こわい…ワンコやニャンコにとってもあぶないよ!
キケンなのはもう分かったけど、じゃあどうやって塩ビが含まれてるかを判別すりゃいいの?って話ですよね。
プラスチックなんて種類たくさんあるし、、
合皮にもPU(ポリウレタン)とPVC(ポリ塩化ビニル)があるけど、、
見た目だけで材質を判断するのって、なかなか難しいです。
いや、私には無理です。全然分かりません…(゚∀゚)
そこで今回は、基本的な塩ビの判別方法をまとめていきます!
ホントに基本中の基本ですが…^^;
※レーザー加工NGな素材に関する記事はコチラ⬇︎
![キケン!レーザー加工NGなモノとは?](https://kossa-kuma.com/wp-content/uploads/2020/10/laser-processing-prohibited__00-2-320x180.png)
《塩ビ》チェック、どうやってする?
1. 商品のパッケージを確認する
新品で購入した前提ですが、、まずは基本中の基本!
加工予定の商品や素材を包んでいたパッケージを確認するのが手っ取り早く確実ですよね。
大抵はパッケージに材質が表記(=品質表示)されていることが多いと思います。
例えばこんな感じに⬇︎
![材質表示(品質表示)](https://kossa-kuma.com/wp-content/uploads/2020/06/pvc-check-before-laser-processing__01s-690x388.jpg)
![材質表示(品質表示)](https://kossa-kuma.com/wp-content/uploads/2020/06/pvc-check-before-laser-processing__01s-690x388.jpg)
![材質表示(品質表示)](https://kossa-kuma.com/wp-content/uploads/2020/06/pvc-check-before-laser-processing__02s-690x388.jpg)
![材質表示(品質表示)](https://kossa-kuma.com/wp-content/uploads/2020/06/pvc-check-before-laser-processing__02s-690x388.jpg)
以前はパッケージ等はろくに確認せず捨てていましたが、現在は極力 写真やらスキャンやらを撮っておき、材質・成分チェックに備えるようにしています!
もちろん、レーザー加工する前提で購入する際は、購入前に材質表記をチェックしましょう!
2. 製造元に確認する
これは(1.商品のパッケージを確認する)に通ずる部分もありますが、製造元に材質を確認するってのが何よりも安心・確実ですね。
パッケージや商品の公式サイト等に製造元の情報があるかと思いますので、問い合わせてみましょう!
※ちなみに、消費者庁のHPに『製品別品質表示の手引き』や『家庭用品品質表示法ガイドブック』などの掲載もあるので、そちらも参考になるかもしれません!
3. 商品テストを受ける
こちらは大分ハードルが上がりますが、、(゚∀゚;)
第三者機関にて、商品テストを受けることができます(有料)。原材料の名称・成分の混合率・耐久性など、正しい品質表示や製品の特徴などを検査して貰えます。
国民生活センターのHPに、『商品テストの実施機関』が掲載されています。個人からの依頼を受け入れてくれる所もいくつかあるようなので、
「なんとしてでも成分を明らかにしたい!」
という場合は、活用してみても良いかもしれません!
まぁ、趣味範囲でレーザー加工する人にとっては、ここまでする可能性は低いけど…笑
4. 火であぶって確認する
これも結構ハードル高いですね…笑
![火であぶる](https://kossa-kuma.com/wp-content/uploads/2020/06/pvc-check-before-laser-processing__03s-690x388.jpg)
![火であぶる](https://kossa-kuma.com/wp-content/uploads/2020/06/pvc-check-before-laser-processing__03s-690x388.jpg)
最初に挙げた塩化水素の特徴の中に、【刺激臭・黄色い煙】というキーワードが出てきたと思います。
要はあぶってみて、【刺激臭】がしたり、【黄色い煙が上がったり】したら、アウト!ってことになります。
燃やすのNGって言ってるのにぃ!?って感じですよね。
しかも既製品に刻印とかをしたい場合、焦げたらどうしよう(゚o゚;;
ってなりますよね。
なるべく目立たない所をあぶる感じでいくの…?
ただ、塩ビの含有量が少ない場合は臭いや煙も少ないため、少しあぶった程度で判断するのは避けた方が良いみたいです。えぇ〜…
でも、そんな時は!
次に挙げる便利グッズが、きっと大活躍してくれるはずです…!
5. 《塩ビちゃん(簡易塩ビ判別器)》で確認する
有毒ガスを発生させる恐ろしい塩ビのイメージを払拭させる、なんとも可愛らしいネーミングの【塩ビちゃん】。
出典:株式会社イージーエス
これは、ハロゲン元素(塩素・臭素・ヨウ素)を含有する物質を、炎色反応で簡単に判定できるグッズです!
ごく微量のハロゲン元素でも反応するとのことで、もし含有していた場合は、炎の色が「緑色」に変わってくるそうです。
めちゃくちゃ便利ですね…!!!欲しい!!!
これはレーザー加工する人には必需品といっても過言で無いのでは…!?
特に私は合皮に刻印することも多いので、PUレザーかPVCレザーか不明な時に簡単に判別できたら良いなぁと思っています!
製造元的に、材質表示がちょっと信頼できなかったり(笑)する時にも良いかも!
【塩ビちゃん】は購入次第、また別記事で紹介できたらな〜と思います!
万が一、《塩ビ》に加工しちゃったら…
確認し忘れちゃった〜!
確認したのに、実は塩ビ入ってた〜!
ってなウッカリ、ありますよねきっと。人間だもの。
そんな時は、
- すぐに部屋を換気!とにかく換気!
- レーザー加工機内部も換気!
集塵機などをしばらく回し続けて、とにかく換気!
- レーザー加工機内部の各パーツに付着した有毒ガスをアルコールティッシュで拭き取る!
とにかく拭き取る!
塩ビ素材への加工が原因でレーザー加工機が故障した場合は、保証対象外や有償修理となる可能性が高いので、くれぐれも気をつけましょう!
まとめ
レーザー加工機は決して安い品物では無いので、できる限り寿命を延ばして大切に使っていきたいですよね。
人にもペットにも、レーザー加工機にも優しい、レーザー加工ライフを楽しみましょう!
それではまた次回も よろしくお願いします!٩( ᐛ )و